私たちの会への投書から | マニフェストを提案する弘前市民の会

私たちの会への投書から

私たちの会に、以下の内容の投書が届きましたので、ご紹介するとともに、私たちの考えを述べたいと思います。

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新市スタートと同時に悲観するような情報を小耳にしました。

合併の主目的は、お金がないから、に始まり市民全体でお金のかからないようにしようと約束したはずです。

本当かどうか、今年から二十億円の巨費をかけて、相馬の中心になる建物をつくるのだそうです。

確かではないが、「ふれあいセンター」とかいって、合併のおみやげ事業とのことでした。

現在は元役場が市の支所になっていますが、それとすぐ後ろにある温泉など多くの建物を全部こわして、温泉付の一大殿堂をつくるのだそうです。

「村の人が要望したの?」と聞いたら「何もわからなかった」といってました。

それをつくるお金は、合併したことによって特別に貸してもらえるもので、返済は棒引きになるので心配がないものだそうです。と、話しはふるっている。が、そういうものではないことがわかった。

御所温泉の近くには、立派な建物が群をなしているのを入浴のおりに、感心して見ております。

今ある建物を有効に活用することも合併の主目的であったと思います。

合併したとたんに、このようでは大変だと思います。私たちの力ではどうにもなりません。広く市民に分かるようにしていただきたいと思います。

合併に悲観する仲間

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以上が寄せられた投書でした。「合併に悲観する仲間」さん、ありがとうございました。

この投書の内容は、新市建設計画の中に盛り込まれている「ふれあいセンター」に関するものです。これは合併特例債の対象事業になっているとも、そうでないとも聞きますが、合併特例債で建設するとすると、費用の7割が国の借金、後の3割が新市の借金で建てられることになります。ですから、「返済が棒引きになる」というのは間違いです。3割は市民の税金からの負担になります。

建設計画が20億円という予算を予定しているというのは初めて知りました。合併協議会では特例債対象事業の予算配分は公表していなかったからです。この20億円の予算に見合う活用がされる建物なのか、維持費のみ膨らみ役に立たない施設になるのか、大きな問題はそこにあります。

「合併に悲観する仲間」さんのおっしゃる通り、私たちも既存施設の活用を前提に、できるだけ少ない予算で有効に活用できる施設であれば、何も公共事業一切反対というわけではありません。私たちの政策にも、相馬村にコミュニティーセンターを作る方針を出していますが、これはあくまでも必要な施設は作るということからです。不必要に華美なものを建てる必要はないと考えています。

私が相馬村の役場に行ったとき、弘前市や岩木町の役場に比べ、老朽化が著しく、ここで仕事をする職員は大変だと思ったことがあります。また、現在相馬では旧村民全参加でまちづくりのNPOを作り、地域のことを自分達でやる自立した組織を作ろうという声があります。そうした動きは私たちの主要な政策である「地域自治区」の構想に合致するもので、積極的に応援したい。そのためには住民の自治的な活動の拠点になるコミュニティセンターが必要だということを主張しています。

このセンターにはいろいろなアイデアを住民参加のもとで盛り込み、住民自ら必要な機能を提案し、設計にも関わっていただく。例えば農具や民具の展示収蔵、温泉を活用したリハビリテーション施設、行政窓口、住民活動の拠点になる集会施設などです。このように、住民が本当に必要とする機能を集約したコミョニティセンターであれば、私たちはその計画を否定しません。コミュニティセンターの運営も住民が作るNPOに委ねるなど、いろいろ考えられます。

一番よくないのは、住民の意見も聞かず、建設ありきで過剰な施設を作り、市の財政負担になるような建物を作ってしまうことです。それを防ぐためにこそ、市民参加・住民参加の市政への転換が必要なのです。私たちは既存施設の活用も念頭におきながら、旧相馬村の人々だけでなく、広く弘前市民が活用できる施設にすることを求めていきたいと思います。