合同個人演説会のご報告 | マニフェストを提案する弘前市民の会

合同個人演説会のご報告

合同個人演説会へ行ってきました。まずはこちらのご報告をさせていただきます。

市政刷新を掲げる三候補と前職とのバトル…を期待していた方にはご不満だったかもしれません。テーマごとの一問一答形式でディスカッションはなかったものの、それでも市政刷新三候補はそれぞれに、それぞれの言葉で具体的に政策を語っていました。

須藤さんは農業者負担拡大につながる農業構造改革への反対、福祉を重視したまちづくりで雇用促進と活性化をはかるという部分を特に重点的に説明していました。選挙初挑戦でありながら、しっかり、丁寧に説明している姿には好感が持てます。

相馬さんは市民所得の向上を特に農業政策、「攻めの観光」政策を通じてはかった上で、歳出を引き締めることを主張。スポーツ大会誘致促進などで観光人口を増やす、高速交通体系から切り離されている弘前市にフリーゲージトレインを導入することを提案。最後に討論がないのはだめだと発言し、会場の拍手を受けていました。

下田さんは、市政改革における情報公開の必要を語り、外部監査制度を導入しチェック機能を高めるとともに、市民にも参加してもらう財政検討委員会の設置を約束。また、医師の立場から、弘前市の救急医療体制が危機にあることを指摘し、救急救命センターの設置を約束するなど、多岐にわたる政策を具体的に述べていました。

ただ一人、金沢氏だけは、最初から最後まで用意していた原稿を棒読みするだけです。金沢氏は合同個人演説会を、議会での所信表明演説と勘違いしているのではないでしょうか。あれでは、金沢氏の代わりに企画課の職員を座らせても同じことでしょう。単に新市建設計画の要約を読み上げるだけなら、今期入庁した新人職員にだってできることです。

金沢氏の発言をここで要約する必要を私は感じません。資料集にリンクしてある新市建設計画の要約版をお読みくだされば事足りると思います。あれ以上でもあれ以下でもありません。

さて、今回の合同個人演説会は、青年会議所がコーディネートして開催されました。これまで合同個人演説会に関わってきた私から見ると、まずPR不足で入場者数が伸びなかったこと。ざっと見たところ、350人程度だったでしょうか。前回は500人を超える参加があったのに比べると、かなり反省点は残ると思います。

告示後に記者発表をしたために、マスコミを通じた宣伝効果がほとんど期待できなかったことが原因の一つです。開催のかなり前からマスコミにこまめに情報を提供し、協力を得る努力が重要です。また、代表者会議が開かれなかったことで、各候補陣営にも情宣協力を依頼する機会がもてなかったことがあげられます。

さらに、合同個人演説会は当然ながら有権者の判断材料とするために開かれます。今回の演説会では、通常個人演説会会場で配布可能なはずの登録ビラの配布すらなく、これではこれまでやってきた合同個人演説会よりも後退していると言わざるを得ません。配布物を一切認めないというのは各候補に対して公平な扱いではあるものの、有権者に対する姿勢としてはどうでしょうか。課題は残ると思います。

今回の演説会では討論が設定されておらず、相馬候補、下田候補から指摘がありました。確かに指摘の通りなのですが、青年会議所の立場を擁護させていただくと、青年会議所としてもディスカッション形式にしたかったようです。しかし前職陣営から、それでは参加できないというクレームがつき、調整の結果一問一答形式に落ち着いたわけです。肝心の前職の出席がなければ、開催そのものが危ぶまれます。青年会議所としても苦渋の選択だったことをご理解いただきたいと思います。

しかしながら、今回初めて選挙に出た下田さんや須藤さんでさえ、堂々と自分の言葉で発言しておられるのに、14年間も市長職を務め、議会において質問を受け答弁してきた経験豊富な金沢氏が、ディスカッションを嫌うというのはどういうことなのか、私には理解できません。ディスカッション、議論こそ民主主義の根幹部分です。つまり、14年間にわたる金沢市政には議論がなかったということになる。

実際に議会を傍聴したことのある人ならわかると思いますが、金沢氏は質問に対してほとんど市職員に答弁させ、自身が答える場合でもほとんど原稿棒読みで通してきました。ディベートもディスカッションもできない。これでは説明責任も果たしようがありません。これが『経験と実績』を強調する金沢氏の本当の姿です。

16日の投票日には、こうした点もぜひ考慮に入れて、最も市長にふさわしいと考える候補に一票を投じていただきたいと思います。